ほんとうの空の下

安達太良山 1,699.6m

2009.10.04 〔歩行距離 約9.1km〕

天気も良くなると言うので、久しぶりの山遊び。
前回自転車で行った、磐梯吾妻スカイラインから見えた、
高村光太郎の智恵子抄で有名な安達太良山に行ってきました。
安達太良山は、別名「乳首山」とよばれています。
はたして、その真相は・・・?

コースデータと標高図です。〔カシミール3Dで作成しました。〕

二本松駅からバスで約30分。
岳温泉に降立ちます。
岳温泉からは、温泉協会のバスで奥岳温泉まで。
このバスは完全予約制で、事前に申し込まないと乗れません。
以前は、奥岳温泉まで、定期バスが運行していたのですが。
乗客の減少で、今は無くなってしまいました。

本当は、快晴のはずでしたが、雲がかかってきてしまいました。
でも、雲の流れがすごく速いので、時折り青空が見えます。
今日のコースは、
奥岳温泉〜勢至平〜くろがね小屋〜安達太良山山頂へ。
安達太良山山頂〜五葉松平〜ロープウエイで奥岳温泉へ戻るコースです。
まずは、安達太良渓谷自然遊歩道をゆっくり歩きます。
林道のジグザグ道を登り詰めると、安達太良山山頂が見える場所があります。
左の尖った場所が、安達太良山山頂、別名「乳首」です。
確かに・・・。「乳首」に見えなくも無い?

勢至平です。
このあたりは、紅葉がちょうど良いです。
本当に、良い時季にあたりました。

荒竜岩の下も紅葉の最盛期です。
黄色や赤が入り、とてもコントラストが良いですね。
屏風岩方面の景色です。
渓谷も紅葉がすばらしい。
ここは、くろがね小屋への登山道の水場です。
金明水とありました。
もちろん水筒に詰めて持ち帰りです。

登山道を歩いていて、目の前がパッと開けたと思った瞬間。
この景色です。
カメラをどこに向けてシャッターを切って良いか分からない状態。

指導標も紅葉がバックになると、とても良い画になります。
本当に来て良かった・・・と、言う気持ちになります。
くろがね小屋が見えてきました。
この小屋は、公共の山小屋です。
くろがね小屋の後ろに見えている山は鉄山です。

荒竜岩が近くに見えます。
その岩の下は、真っ盛りの紅葉です。本当に得した気分。
山は逃げませんが、紅葉の時期は逃げてしまいます。
こんな景色を見ていると、日ごろのうっ憤など、どこかへ飛んでいってしまいますね。

くろがね小屋で、ピンバッチとバンダナをゲット。
登山道は、まだまだ、高度を稼ぎます。

先ほどのくろがね小屋が眼下に。
赤く見えるのは、ドウダン・ナナカマド・ウルシ等です。
緑に見えるのは、五葉松や熊笹です。
このコントラストがすばらしいです。
遠く町並みが見えるのは、二本松市です。
快晴のときは、太平洋の水平線が見えるそうですよ。

きれいですね。
本当にすばらしい紅葉です。

峰の辻に到着です。
ここから一度下って、「乳首」まで一気登りです。

頂上には、すごい数のハイカーがいます。
その尾根にも・・・。
こちらの登山道は、ロープウエイで簡単にこられる場所。
そのため、軽装の人がたくさんいます。

「乳首」のてっぺんです。
ここは、一部クサリ場になっていました。
祠の向こう側に見える尾根は、牛の背と呼ばれています。
ガスがかかってしまい良く見えませんが、左奥はが沼の平。
噴火口です。
今は、火山性有毒ガスが発生しており、立入り禁止となっています。

安達太良山山頂の指導標です。
ハイカーが写真を撮るのに順番待ちしていました。
本当に賑やかな山です。
あまりに人が多いので、昼食は下山後にしましょう。
行動食で、お腹を満たします。
五葉松平です。
その名の通り、五葉松がたくさん生えています。
その間の低木が、赤や黄色に輝いています。

紅葉の向こうに見えている山は、鉄山・箕輪山・鬼面山です。
薬師岳が見える場所には、こんな標識が立っています。
安達太良山は、万葉集に出てくる最北の山。
また、詩人・彫刻家として有名な高村幸太郎が読んだ詩にも出てきます。
「智恵子は東京に空が無いという。ほんとうの空を見たいという。
私は驚いて空を見る。桜若葉の間に在るのは、切っても切れない、
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは、うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながらいう。阿多多羅山の山の上に、
毎日出ている青い空が、智恵子のほんとうの空だという。
あどけない空の話である。」
今日は、紺碧の空は、見られませんでしたが、いつかきっと・・・。
ロープウエイで、奥岳温泉まで下山。
帰りのバスの時間まで、約1時間。
さてどうするか・・・。
せっかく温泉があるのですから・・・。
ゆっくり温泉につかり、バスを待つことに。
また、紅葉を追いかけてどこかの山へ。